海外進出の失敗要因とは?成功率を上げる方法と事例紹介

海外進出の失敗要因とは?成功率を上げる方法と事例紹介

世界的に企業のグローバル化が進み、また日本国内においては、内需後退による市場縮小が予測される昨今。

時勢を踏まえ、多くの日系企業が海外へ目を向けるようになりました。現に、日系企業の海外進出数は過去5年間で、18.4%も増加しています(※1)。

とは言え、すべての事業が成功するはずはなく、ユニクロやキリンといった大企業でさえ失敗し、撤退を余儀なくされた過去を持ちます。

また、海外ビジネスを展開する全日本企業のうち40%が撤退・もしくは撤退を検討した経験があるとのこと(※2)。

実に高い割合ですが、なぜ躓いてしまったのでしょうか。今まさに海外進出を検討している方は、それが分かれば成功率を高められるはずです。

そこで本記事では、日本企業が海外進出に失敗する要因を解説した後、現地でウケる独自のカップヌードルを作り大成功した日清食品など、失敗を回避した事例と、おすすめの支援業者3社をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

※1:外務省/海外在留邦人数調査統計(平成30年)
※2:帝国データバンク/海外進出に関する企業の意識調査

日本企業が海外進出に失敗する要因とは?


なぜ、国内で好調だった企業が、海外進出には失敗してしまうのでしょうか。

様々な事例を見るに、根本的な要因は数種類に絞られます。今回は、特にありがちなものを3つ解説しますので、対策の参考にしてみてください。

現地の文化や習慣に適応できていないから

現地の文化や習慣への適応(=ローカライズ)ができていないことは、海外進出に失敗する典型的な要因です。

現に、日本企業に限らず、世界の名だたる大企業がローカライズにしくじり、マーケットの支持を獲得できず撤退しています。

アメリカとイギリス進出に失敗したメルカリ、国を問わず海外進出に失敗した日本の携帯電話メーカーたち、中国進出に失敗したアマゾン、日本進出に失敗したフランス大手スーパー・カルフール…枚挙に暇がありません。

挑戦の舞台は異国の地。言語は当然として、効果的な販売経路や訴求方法なども本国とは違ってきます。となれば、現地事情に合ったやり方をとらないと、その国のマーケットで受け入れられにくくなるわけですね。

ローカライズを上手く進めるには、何よりもリサーチが重要になります。市場の動向や顧客ニーズはもちろん、人々の価値観や国民性、商習慣、ライフスタイルに至るまで、1つでも多くの情報を把握しましょう。JETROのレポートは、情報収集の足がかりにおすすめです。

そして、リサーチ結果と今までのやり方に噛み合わない部分があれば、ローカライズを始めるのです。

人材豊富な大手企業でさえ見誤る工程ですので、必要に応じて外部専門家のアドバイスを取り入れながら、慎重に進めてください。

パートナー企業を正しく選べなかったから

パートナー選定時、その企業が自社にとって適切かどうか見誤るのも、海外進出に失敗する要因の1つだと言えます。

国内向けとは違うノウハウが求められる海外進出においては、自社のみだと対応しきれない業務が出てくるはずです。そんなとき心強いのが、国内外のパートナー企業。しかし、組む相手を見極められないと、思うような結果は得られません。

例として、現地で販売代理店を獲得したものの、自社商品のターゲット層と代理店の得意ルートが噛み合わず失敗した、日本のB社を見てみましょう(*)。

同社は自社製品の海外展開に際し、現地でトップクラスの売上高を誇る販売代理店・Y社へセールスを全面委任する契約を結びました。実績が確かな上、現地での評判も良いY社なら安心だと考えていたそうです。

が、蓋を開けてみたら、1年以上経っても売上は増えませんでした。

そこでB社が原因を調査したところ、Y社のメイン販路は廉価品を購入する層に対してで、高級品を手掛ける自社と全く噛み合っていないと判明したのです。さらにY社は、得意でない高級品をあえて扱うことに対し、対策をとっていませんでした。

売れないのも無理はありません。結局、B社はY社との契約を解消しました。

このような事態を避けるには、パートナー候補に関するリサーチが最重要となります。たとえば販売代理店の場合、そこが得意とする顧客層や販売体制などですね。

相手の調査がしっかりとできていれば、B社のように「トップクラスの実績だから」といった曖昧な理由付けではなく、自社のプランに沿った具体的な根拠をもって連携に臨めます。

コンサルなどでサポートを受ける際も、リサーチ不足に起因した想定外の事態が起こり得ます。一緒に事業を進める企業の情報収集は、抜かりなくやっておきましょう。

*:日本総研/失敗事例に学ぶ海外現地パートナー獲得の留意点

海外進出の目的がはっきりとしていないから

3つめの要因は、海外進出の目的がはっきりしていないこと。

目的が曖昧だと、それを達成するための目標・戦略・戦術など、具体的なプランも全てがボヤけます。すると、方策について中長期スパンの考え方を取り入れられなくなり、大局的な判断を欠いたまま目先の数字や仕事にばかり注力してしまうのです。

この状態では、思うような成果をあげるのは難しいでしょう。

したがって目的の明確化は、「勝つシナリオ」を描く上で不可欠だと言えます。コスト削減、市場開拓、シェア拡大、取引先との連携、新規事業……各企業、何かしらあるはずです。

加えて、目的の必然性も考えましょう。会社の実情にそぐわないものは、達成しようがないからです。「○○の市場がアツい」といった不確実な情報を聞きかじり、自社にとって非現実的な目的をもって海外進出し、失敗する中小企業は少なくありません。

「そもそも、なぜ海外へ打って出るのか?」

困難に直面したとき、上司・部下と話をするとき等、様々な場面で振り返って共有し、進むべき方向を見失わないよう心がけてください。

海外進出に成功している日本企業の事例


ここでは、海外進出に成功した企業の事例を2つご紹介します。

前述の失敗要因を避ける上で、参考になるはずです。さっそく見ていきましょう。

現地の食文化に合わせ、各国版を製造:日清カップヌードル

1つめに、ローカライズのお手本として、日清・カップヌードルの事例をご紹介します。

カップヌードルと言えば、しょうゆ、シーフード、カレー、チリトマトなどなど、いろいろなテイストが揃う馴染み深い商品。海外でも人気があり、今や80カ国以上で販売され、売上の70%が海外で占められています。

でも実は、日ごろ私たちが目にするラインナップは、日本以外では扱われていません。地の現地法人が、独自のカップヌードルを流通させているのです。(売れ筋商品の例はこちら)

理由は、「海外で日本版をテスト販売してみたものの、売れなかったから」とのこと。食文化が異なる分、受け入れられるテイストも違うわけですね。

そこで同社は、カップヌードルのローカライズに着手します。マーケットや人々のライフスタイルを調べ上げた結果から、味はもちろん麺の長さまで、現地の好みに従い細かく調整しました。

具体的に、どうローカライズしたのか。各地域の売れ筋を例にとって見てみましょう。

・日本:醤油ベースの味付けが最も好まれる。”すする”ために麺は長め。

・アメリカ:チキン風味がポピュラー。麺は日本より短め。

・EU:ブイヨンベースが人気。一口で食べられるよう、麺は日本の半分の長さ。

・インド:マサラ(カレー)味が人気。麺は短め。

・タイ:酸味と辛味が利いたトムヤムクン味。食べごたえ重視のため、麺は長め。

その地域の名前を聞けば、おおむね連想される味ではないでしょうか。そしてカップヌードルは、現地で親しまれた味”に適応しているとよく分かります。

他のローカライズポイントとしては、パッケージ素材やデザインの他、フォークを付属させるといったものがあります。

このように、地域ごとの食文化に根ざした商品ラインナップを実現したからこそ、カップヌードルは今日も世界中で愛されているのです。日本版のテスト販売で失敗した点からも、ローカライズの大切さが伺い知れますね。

参照:NIKKEI STYLE/世界で変身したカップヌードル、食文化の縮図

現地代理店を教育し、各国で迅速なメンテナンス体制を確立:長田電気工業

次に、代理店の効果的な活用法として、歯科用医療機器の製造・販売を手掛ける長田電気工業の事例をご紹介します。

同社の製品は高品質で知られ、宮内庁への納入実績を持つほどです。海外展開については、戦前から輸出をしており、1973年には販売とアフターサービスのための子会社をアメリカに設立

企業努力の甲斐あって、広大な北米大陸にありながら、依頼の受付後3日以内にメンテナンスができるようになり、現地医師の絶大な信頼を勝ち取りました。

加えて、メンテナンス体制構築のノウハウも得た同社は、このノウハウを他の国でも活用し始めたのです。ただし、アメリカ以外では子会社を設立せず、現地の代理店と契約する形をとりました。

代理店と組めば、その代理店が持つ地域密着のネットワークを活用できます。自社だけで販路をイチから開拓するよりも、スピードとコストの両面で優れていると言えるでしょう。

その反面、ビジネスの成否を代理店に依存してしまうデメリットもあります。だからこそ、パートナー候補のリサーチが極めて重要だと前述したわけですが、長田電気工業は信頼できる代理店と契約した上で、さらに担当者へメンテナンスのノウハウを教え込みました。

これにより、代理店という形態にも関わらず、迅速かつ高品質なアフターサービスを各国で均一に実現したのです。今では世界70カ国以上で同様の展開をし、いずれの国でも高い評価を獲得しています。

その評判は数字にも表れており、イスラエルのように市場シェア30%超を誇る国もあるのだとか。

さて、代理店との提携を成功させる上で、”教育”という同社の取り組みは参考になるのではないでしょうか。相応の手間がかるものの、デメリットを回避しやすくなるため、やる価値はあると思われます。現地パートナー選定に際し、戦略の1つとして検討してみてください。

参照:中小企業庁/海外展開の成功事例

おすすめの海外進出支援業者3社


次にご紹介するのは、海外進出を様々な面でサポートしてくれる、おすすめの支援業者3社です。

ローカライズや現地パートナー選定はもちろん、戦略全体のアドバイスも受けられるため、きっと力強い存在になってくれるでしょう。業者選びの参考にどうぞ。

LIFE PEPPER:Webマーケティングをトータルで支援


引用:LIFE PEPPER 企業サイト

LIFE PEPPERは、海外向けWebマーケティングに特化したサポートを行う企業です。

サービスの特徴として、以下の3点が挙げられます。


アジア・欧米各国出身の、マーケティングや現地事情に精通したネイティブスタッフが多数在籍

日本人にはない視点を取り入れることができ、現地の顧客へ刺さる訴求が可能に


日本人専門家と外国人スタッフがチームを組んで案件にあたる

外国人目線の施策を、日本企業の事情に合わせながら実行できる


リサーチにはじまり、戦略立案から施策実行、結果分析、改善に至るまで、マーケティングにおける取り組みをトータルでサポート

複数の業者を介さない分、ブレない施策をスピーディに展開できる

いずれも、成果へ直結する強みだと言えるでしょう。実際の支援の評判も良く、同社は2014年設立の若い会社ですが、今では年間600件の相談実績を有するほどです。

昨今の海外ビジネスでは、BtoC・BtoBなど形態を問わず、Webマーケティングの重要性が高まっています。外国語サイト、SNS、Web広告といった施策は必須と言えるでしょう。

こうした領域において、自社の課題が明らかな場合はもちろん、まだハッキリとした道筋が描けていない場合も、エキスパート揃いのLIFE PEPPERは頼りになるはずです。

問い合わせは無料ですので、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

【LIFE PEPPERの海外進出コンサル 無料相談はこちらから】

JETRO:公的機関によるビジネス支援


引用:JETRO 公式サイト

経済産業省管轄の独立行政法人・JETROは、事業の1つとして日本企業の海外進出サポートを行っています。

公的機関だけあって、民間だと実現しにくい大規模な支援ネットワークが強みです。具体的な特徴は以下のとおり。


国内46箇所・海外54カ国に拠点を構え、世界中の政府・自治体・機関・企業等と連携してビジネス支援にあたる

多方面からの情報提供やバックアップを背景に、信頼度の高い施策を迅速に行える。現地パートナー探しにも有用


海外ビジネスに精通した様々な業界の専門家が、全国の拠点に在籍

気になることをスグ相談でき、より迷いのない強固な戦略・戦術の構築が可能に


展示会、見本市、商談会のサポートに強い

こうした場へは粘り強く出展し続けることが必須だが、サポートを受ければ手探りで進めるよりも商談や契約へ繋がりやすくなる

以上の強みを軸に、リサーチ、事業計画策定、パートナー企業マッチング、販路開拓、原料調達、人材育成、税務・法務などなど、幅広い領域で支援を展開しています。(具体的なサービス概要はこちら)

さらに、JETROのサービスは大部分が無料です。低コストでビジネスを加速させられるので、まず相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。

【JETROの海外進出に関する問い合わせはこちらから】

小島国際法律事務所:法務面のサポート


引用:小島国際法律事務所 企業サイト

小島国際法律事務所は、法務面で海外進出をサポートする会社です。

1984年の設立以来、35年に渡って日本企業の海外進出を支援してきました。踏んできた場数の多さは、難解で複雑な法律問題をクリアする上で、信頼が置けますね。

同事務所の強みは、以下の3点です。


世界100カ国以上の法律・会計事務所と国際的に連携

現地のマーケット事情や法習慣をしっかりと汲み取りつつ、多角的な視点での法務サポートが受けられる


法務の問題全般を、ワンストップでカバーできる

一貫したスタンスで法問題へ対処できる他、長期目線のスキームに則した戦略的な法務体制を構築できる


インド進出サポートへ特に注力している

発展が目覚ましい同国への進出を、トラブルなくスピーディに成功させやすくなる

海外進出に際して、課題となりがちな法律。現地の会社法、労働法、投資規制、租税法などなど、専門家の指示を仰ぐ場面は多々あります。

実績豊富で、大規模な国際ネットワークも持つ同事務所は、心強いパートナー候補として有力ではないでしょうか。

【小島国際法律事務所への問い合わせはこちらから(ページ下段)】

まとめ

今回は、日本企業が海外進出に失敗する要因や対処法の他、成功事例とおすすめの支援業者をご紹介しました。

失敗を避け、成功を引き寄せるのに最も大事なのは、結局のところ「リサーチ」です。前述のとおり、JETROのレポートを足がかりにして調べ始めると良いでしょう。

日本よりもずっと大きなマーケットが広がる海外には、それだけ多くのチャンスも存在します。この記事が、ビジネス拡大のきっかけになれば幸いです。

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