「バックオフィス」とは、もともと「フロントオフィス」の対義業務のこと。最近では、社内向け業務全般を指す言葉として使われています。
社内向け業務ということで、数字として業績が出にくく、やりがいを感じにくい部署と言えるでしょう。従業員が少数の企業では、メイン業務と兼務する場合も多く、かえって生産性を落としてしまうと頭を抱える場合もあります。
しかしバックオフィス業務がおろそかになると、頻繁な備品切れ、税申告漏れ、人材の流出など、数々のトラブルが起こってしまいます。
ここでは、バックオフィスが担当する具体的な業務、その重要性、効率化を図るためのいくつかのアイデアについて紹介していきます。
バックオフィスとは?どんな意味?
「バックオフィス」とは、「フロントオフィス」と対義になるビジネス用語。もともとは銀行・コールセンターなど窓口業務のある業種で使われていましたが、最近では社内向き業務全般を指す言葉として使われています。
社内向け業務とは、例えば人事、総務、経理といった業務のこと。顧客とのやり取りではなく、企業の運営基盤を整える仕事です。以下でバックオフィス業務の代表的な部署について取り上げてみましょう。
代表的な部署①人事部
人事業務は採用活動や労務管理など、従業員に関わる整備を行う事務業務。しかし人事業務とその業務は多岐にわたり、大きく5つに分けられます。
- 人事企画(企業目標に沿って、人員の配置や人件費を管理する)
- 採用/雇用(採用計画に基づき、必要な人員の採用活動を行なう)
- 労務管理(社員を適材適所に配属したり、モチベーション管理などを行う)
- 教育/育成(研修等で従業員の能力開発を行う)
- 制度/環境の整備(評価・報酬制度などによる働きたくなる環境づくり)
このように人事事務は従業員の新規雇用にとどまりません。雇用した従業員が続けて働くための能力を開発したり、労働環境を整えるなどといった業務も含んでいます。
代表的な部署②経理・会計
経理事務は、会社経営のうえで重要な「利益」「資産」「損益」などを管理する部門。業務分類は3つに分かれます。
- 預金の残高確認や現金管理に代表される「デイリー業務」
- 月次決算、取引先への請求書発行・入金確認等の「マンスリー業務」
- 決算業務、年末調整、外部に開示する資料作成などの「年次業務」
経理業務自体は単純な事務作業が多いのですが、経営判断の為の資料作成を作る重要な仕事のため正確性・確実性が求められます。
代表的な部署③総務部
総務事務は、会社のインフラを支える部門です。総務事務の特徴は、専門的な知識が必要であるにもかかわらず、業務のカバー範囲が広いこと。
総務事務業務には、設備・備品の管理、文書管理、社内規定の制定・改定、社内イベントの運営などがあります。一見単純作業に見えるのですが、文書ごとに保管期間が法律で定められていたり、法律に違反しない社内規定を作らなければいけなかったり、法的知識も求められます。
会社におけるバックオフィスの重要性
バックオフィス業務は、一見「売上を立てない」華のない業務かもしれません。ですが、会社運営においてバックオフィス業務がおろそかになると会社のマネジメント能力は著しく低下してしまいます。
会社のマネジメント能力の低下は、「請求の出し忘れ」「他社への人材流出」「もらえるはずの補助金の申請漏れ」など、金銭的、人材的損失のリスクを高めることにつながっていく、大変な状態。
売上を立てないからと軽んじてはいけません。バックオフィス業務は、非常に重要な業務なのです。
バックオフィス業務にとって人材確保は死活問題
会社にとって重要なバックオフィス業務ですが、バックオフィス業務において実は一番の課題は人材の流出にあります。
会社における人材の流出というと、他社からの引き抜きなどをイメージするかもしれません。しかし、人材流出の事情は、産休・育休、介護退職、結婚して配偶者の転勤についていくなど、企業努力ではどうしようもできない事情もあり得ます。
バックオフィス業務は、例えば日々の正確なデータを積み重ねて分析したり、傷病手当の申請について従業員に説明したりといった会社の基盤を支える縁の下業務。多くの経験や知識、正確性の求められる業務で、そのノウハウは一朝一夕で伝えることはできません。
バックオフィス業務においての最大の課題が人材確保である理由は、この「経験値に左右され変化する業務パフォーマンス」にあるのです。
バックオフィス業務の効率化とは
バックオフィス業務は、日々の積み重ねの業務が多く、一つ一つをエクセルなどで行っていくと膨大な仕事量となってしまいます。その為、多くの企業が会計ソフトなどの専用ツールを導入したり、人事や会計など、専門知識が必要な分野は専門家に部分委託して業務を効率化しています。
例えば経理に着目して見ると、会計ソフトを使い自社の会計部門で入力、決算申請に関しては税理士に依頼というケースもあれば、領収書を全て代行業者に提出し、決算に至るまですべて代行業者にお任せするケースもあります。
自社の従業員規模、バックオフィス業務を自社でどのように扱うかによって、どのような効率化が自社に合っているかが分かることと思います。バックオフィスの代行業者について、メリットとデメリットを見ておきましょう。
バックオフィス代行のメリット
バックオフィス代行のメリットは大きく分けて以下の3点です。
- 退職リスクがない
- 専門家に依頼できるので正確性が担保される
- 自社雇用よりも低コストな場合がある
バックオフィス部門をを自社の外に出してしまうので、例え職員の退職があったとしてもバックオフィス業務に支障はありません。
また、経理・社会福祉・人事など、必要とされる知識ごとに委託先を選べぶことができるので、その道の専門家が業務に対応してくれます。場合によっては、専門性の高い人間を自社雇用するよりも、低コスト・低リスクで同様の業務パフォーマンスが得られます。
バックオフィス代行のデメリット
一方で、バックオフィス代行を利用する場合のデメリットについても見ておきましょう。
- 情報漏えいのリスクが高まる
- オンライン化が進んでいないと業務依頼に手間取る
- 自社にバックオフィス業務のノウハウが蓄積しにくい
バックオフィス代行を利用すると、会社の外部に情報を持ち出すことになります。基本的に代行業者とはオンラインでつながることが多いのですが、機密情報を含む場合、フジ子さんのような、オフライン対応可の代行業者を選ぶようにするとよいでしょう。
また、将来的に自社内にバックオフィス部門をつくろうと考えている場合、代行業者にすべてを委託すると業務ノウハウが自社に蓄積しないというデメリットも発生します。
その場合は、
代行業者には単純な入力作業のみ委託する副職希望のプロを派遣してくれるサービス(シューマツワーカー等)を使う |
など、自社社員に業務ノウハウが蓄積するようなサービスを選ぶとよいでしょう。
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シューマツワーカー:副職希望のプロとマッチングが可能
まとめ
バックオフィス業務とは、企業の運営が健全に行われるために必要不可欠な業務。しかし、手間がかかる上に生産性がないことから、経営者的には人件費とのバランスを考えざるを得ません。
バックオフィスの効率化には、会計、人事、総務のうち、委託可能な業務は委託したり、効率化ツールを使う方法が有効です。自社のオンライン化の進捗状況や、今後のバックオフィス業務の運用方針に合わせたサービスをぜひご検討くださいね。
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